コンポジット事業では、アルミ、チタン、ケブラー、カーボンファイバー(炭素繊維)及び樹脂を合わせた複合素材を、レーシングカーやモーターショーのコンセプトカーなどの車両設計で展開してきました。その複合素材で最近とくに注目されているのが、フォーミュラカーのモノコックやSUPER GTに参戦中のSC430に使われている、カーボンファイバー(炭素繊維)です。
SC430
複合素材としてのカーボンファイバー(炭素繊維)には約40年の歴史がありますが、車両部品として製品化された実績は非常に少ないのが現状です。しかし当社では、カーボンファイバー(炭素繊維)がクルマの構造材として注目され始めた1989年にオートクレーブを導入して以来、絶えず設備を充実させて研究開発を続けてきました。
2006年に開設された湘南テクニカルセンターでは、環境変化(温度、湿度)に影響されやすいカーボンファイバー(炭素繊維)素材の品質管理を徹底して行うため、素材ストック専用の冷凍庫や環境管理された積層作業ルームを設置しています。これらにより素材、型などのひずみなどを最小限に抑えた作業を行い、高い精度を保った高品質なカーボンコンポジット部品の製造を実現しています。
また、長年のレース活動やトヨタの車両開発で培ったクルマ作りのノウハウを、クルマの構造材としてのカーボンコンポジット部品の開発に盛り込むことができるのも特徴です。
湘南テクニカルセンターには、こうしたカーボンファイバー(炭素繊維)をはじめとする複合素材の研究開発設備が集約されており、設計・開発から試作までセンター内で一貫して行うことができます。徹底した品質管理と万全のセキュリティ環境のもと、新しい工法の研究や多様なモノ作りにも対応しています。
カーボンファイバー(炭素繊維)はスチールの約1/5、軽量金属のアルミの約1/2の質量でほぼ同じ強度を確保できる材料です。クルマの軽量化は、エネルギーの無駄を省くことにつながり、環境にやさしいクルマ作りへの貢献が期待されています。
また、カーボンコンポジット材は、カーボンファイバー(炭素繊維)の繊維と専用樹脂による複合材のため、金属でプレス加工できないような複雑な形状でも成形可能で、アルミなどの金属と違い、繊維構成などにより厚みを変えることなく部位により硬さなどの特性を変えることもできる特徴を持っています。