第37回東京モーターショー2003

第37回東京モーターショー2003

TTCの技術力と匠の技、クルマの未来を作っています

第37回東京モーターショー2003が好評のうちに閉幕しました。クルマの未来を、カーライフの未来を、ちょっとだけ先取りできたまたとないチャンス。37回目を迎える今回のショーに、トヨタは「環境と感動」をテーマに数多くのコンセプトカーや参考出品車を出展しました!
燃料電池、ハイブリッドシステム、カーコミュニケーションシステムなど最新技術を満載した夢のクルマ。実はそこにTTCの最先端テクノロジーが生きているのです。モーターショーのトヨタを支えたTTC、その未来工房をちょっとのぞいてみませんか?

Fine-N

燃料電池はハイブリットがクルマのフォルムを変えていく
燃料電池とドライブバイワイヤが画期的デザインを実現

燃料電池ハイブリッドシステムを搭載し、4つのホイール内に電動モーターを内蔵。ギアボックスやドライブシャフトといった機械的な繋がりが不要となったことでフルフラットフロアを実現。また操作系を電子制御で行う「ドライブバイワイヤ」によって機械的制約から開放されました。そのためドライバーの位置を中心にしたハンドル位置、ペダル位置の調整が可能に。体格が違っても頭の位置が変わらず視界は良好に保たれるため、高い安全性も備えています。

TTCのあらゆる部門が協力した革新的クルマ

FCユニットの配置、構造計算、ボディの製作、そして走る機能を実現するための機能部品・・・・・・TTCの持てる技術をフルに活用して作られた夢のクルマがこの「Fine-N」。サスペンションアームの設計はTTCのレース部門であるTRDの技術者までもが協力しています。画期的な低重心低慣性モーメントを、見ている人に無言のうちに語りかける未来感溢れるフォルムは、パネルのひとつひとつをゼロから作り上げたもの。ここまで大胆で美しいデザインを実現できたのも、優れたTTCの製作技術があったからにほかなりません。

全長:4,355mm/全幅:1,820mm/全高:1,495mm/ホイールベース:3,100mm/乗車定員:4名

TTCスタッフインタビュー

車両開発 開発事業室
特殊開発グループ
新美祐三
車両開発 開発事業室
特殊開発グループ
前田隆

トヨタから提案されたデザインとコンセプトを元に、実際の製作に関する設計の多くをTTCで行いました。ここまで画期的なコンセプトカーですので、製作には丸々1年はかかりましたが、まだ足りないくらいです。
このクルマは実際にFCで走るクルマですので、走行部品と外装、内装をしっかり両立させるのに苦労しました。生命感をデザインコンセプトとしたというボディを強調するために張りを持たせたパネルと常識では考えられない大きなウインドウシールドには、GTカーのウイングやパネルを作っている経験が生きています。生体認証を行い電動で開閉するドアも構造から検討し、スムーズに作動するまでに何度も作り大変な苦労をしましたが、コンセプトカーの製作は本当にやりがいがあります。
自分の設計がすぐカタチになる。そしてみなさんの反応がすぐ返ってくる。トヨタの数年先の未来を見据えた本流のコンセプトを実現したクルマです。モーターショーに行かれた方が何年かあとに今年のショーを振り返って、Fine-Nを思い出してくれたらいいですね。(新美・前田)

PM 明日のカーライフを予言するパーソナルコミューター

ミニマルなクルマと最先端IT技術。一人乗りだけど“ひとり”じゃない

最小限のスペースで一人乗りの「PM」はウェア感覚のクルマです。人を中心に、周りに機能を囲ませるようにして構成したキャビンと、シースルー構造の独立した前輪などの足周りを特徴としています。これらを分離することで、乗車時や走行状態に合わせてカタチが変化。さらに空間入力ディスプレイシステムを採用し、近くにいるPMとコミュニケーションしたり、友達のPMに追従走行することも可能です。一人で乗っているのにひとりじゃない、先端IT技術を駆使したクルマのパーソナルな進化がここにあります。

ヒトとクルマの一体感を実現した可変スタイル

スペースの限られた市街地での走行は程よい高さの目線と中間的なホイールベースで、高速走行時にはホイールベースが最大2,000mmまで伸びて、車高は低く、安定した走行を。また独立制御の前輪がハの字に開き、後輪を左右逆回転することで、その場で方向転換も可能。そんな操作を実現するためにバイワイヤー制御と両手の手首の動きだけで制御できるドライブコントローラーでクルマの操作体系を刷新。常識にとらわれないメカニズムをTTCが設計、製作しています。

全長(mm) / 2輪時 985 3輪時 1,275 全幅(mm) / 800 全高(mm) / 2輪時 1,800 3輪時 1,710 乗車定員(人) / 1

TTCスタッフインタビュー

車両開発 開発事業室
特殊開発グループ
主担当宮森幸夫

これだけデザインが先進的なクルマを実際に走るように設計することが今回のチャレンジでした。この小ささで姿勢が変化する範囲がかなり大きいので、駆動系メカニズムを収めるために1年の期間が必要でした。その場回転を実現するために、前輪のステアリングが180度切れるようステアリングギアボックスから設計しました。コミュニケーションが取れるということがPMのコンセプトのひとつですので、外からもその様子がわかるようにボディが発光します。美しく光るように素子の配置を工夫しています。また乗り降りするときにはシートがせり出してきます。こうした部分は止まる直前にゆっくりになって、ショックが少なくなるよう作動スピードをコントロールしています。こうしたソフトウェアの部分にもTTCがトヨタの試作車を担当したときのアイデアとノウハウが生かされています。ひとつの動きを実現するにもいろいろなメカニズムが考えられます。そのアイデアをみんなで出しあってディスカッションし、実物に落とし込む。それが僕らの楽しみでもあるのです。

SU-HV1 ハイパワーハイブリッドシステム搭載、次世代型SUV

圧倒的なパワーと燃費を実現した未来のSUV

「SU-HV1」はトヨタの誇る次世代ハイブリッド技術THSを搭載した新世代SUV。3.3リットルのV6ガソリンエンジンに、高出力化し120kwを越えるフロントモーター、リアを駆動する50kwモーターを採用し、エネルギーの蓄積効率に優れた新開発ニッケル水素電池を組み合わせています。これら先進のハードウェアと電子ブレーキ制御システムとE-Fourを強調制御して、今まで以上に走る楽しさと環境性能を両立させた話題のクルマです。

未来をカタチにしたダイナミックな造形美。

次の世代の圧倒的な高性能SUVの姿を表現する、デザイン画から飛び出してきたかのようなシャープでエモーショナルなフォルム。その実現不可能とも思える大胆なカタチを具体化したのがTTCの技術です。空気を切り裂くようなV字形状のフロントバンパーとLEDを多用したフォグランプ、リアフェンダーから力強く、かつ複雑に変化しながらV字形状に収まるリアバンパー。数多くの特装車両、スペシャルモデルを手がけてきたTTCの経験とスタッフの情熱が、存在感いっぱいのスタイリングを生みだしたのです。

全長:1,750-2,650mm/全幅:1,450mm/全高:1,215-1,855mm/ホイールベース:1,100-2,000mm/乗車定員:1名

TTCスタッフインタビュー

車両開発 開発事業室
特殊開発グループ
吉田勇一

デザイナーのイメージをショーモデルに反映させ、見栄え、質感をよりよく表現することを念頭に造り込みました。ハイブリッドということでマフラーをあえて隠し、造形のカタマリ感、美しさを強調。リアバンパー上のメタルパーツはアルミ無ヘアラインで仕上げています。本物の素材を使った本物の質感。制約をなくしさまざまな素材で自由に表現できることを、わたし自身楽しむことができました。なによりとてもいいデザインだったので、やりがいがありました。(吉田)

車両開発 開発事業室
特殊技術グループ
阿部玉樹

1台しかないクルマですから、新しく作ったパーツをボディに装着するときはほとんど現物合わせなんです。取り付け用のパーツなどもすべてイチからその場で作りました。細かいことですが、ベース車のボディ周りなど板金をし直して、さらになめらかなラインと光の写り込みが出るようにしているんです。こうした細かい部分の積み重ねがショーモデルの華やかさの秘密です。(阿部)

FCHVカットモデル TTVのボディ改造技術が花開く

排気ガス0<ゼロ>を実現する燃料電池

高圧タンクに貯蔵した水素を化学反応させて電気を取り出す燃料電池。トヨタはこのパワーユニットの自社開発に成功し、世界トップレベルの性能を実現しています。水素を燃料とすることで、大気汚染の原因となるCO2、NOxを出すことはありません。このFCHVカットモデルはそんなトヨタの燃料電池システム(トヨタFCスタック)が実際にクルマに搭載されたとき、エネルギーがどうやって流れ、どうやって動いているかを楽しくヴィジュアル化したものです。

見えないところも美しく

後席床下に収納された高圧水素貯蔵タンクからパワーコントロールユニット、燃料電池へ。まさに血液のように流れるクルマのエネルギーの様子が、美しくライトアップされ表現されています。みなさんにさらに楽しんでもらえるようベース車両のボディパネルを切り、透明度の高いアクリルパネルを各所にはめ込んでいます。切断面は磨かれ、アクリルと接着され、細心の注意を図って組み立てられています。板金、樹脂成形、電気関係とオールラウンドに技術を持つTTCならではの仕上がりです。

全長:4,735mm/全幅:1,815mm/全高:1,685mm/乗車定員:5名

TTCスタッフインタビュー

車両開発 開発事業室
特殊開発グループ
山本光宏
車両開発 第一特装事業室
特装技術グループ
本川弘幸

このFCHVの展示用の設計を担当しました。普通真っ二つに切ったようなものが普通ですが、切っただけでは芸がありません。そこでアクリルをはめ込んだスケルトンボディとし、見る方が実車をイメージしやすいようにしてみました。せっかくみなさんに見てもらえるのですから、技術展示物の制作時には、きれいで構造がわかりやすいようにと心がけています。クルマの前に付いているFC(フューエルセル)の青い照明は、間接照明のようなテクニックを使い、苦労してきれいな色が出るようになりました。それからサイドの前後ドアの間には実車の車両では補強の柱があって、構造上は普通切ることができないものなんです。この技術展示物の最初のイメージイラストでも柱は残っています。でもそれだと中のイルミネーションが隠れて見えづらくなってしまうので、1週間くらい悩み続けて思い切って取り除きました。これは技術屋の意地ですね。現場でみな腕組みしながらひとつひとつ問題を解決してよりよいものに仕上げていくのです。サイドがすっきりしたので燃料電池のシステムがみなさんによりよく理解してもらえると確信しています。(山本・本川)