第39回東京モーターショー2005

第39回東京モーターショー2005

TTCの技術を集結してクルマの新しい可能性に挑戦!

今回の第39回東京モーターショー2005は10月22日から11月6日までと通常より4日会期を延長して開催され、151万人を超える来場者を記録し閉幕しました。今回は東京モーターショー50周年の節目の開催にあたり、様々な企画が行われました。トヨタのモーターショー出展テーマは前回に引き続き「ECO×EMOTION-環境と感動-」として、クルマの新たな可能性を引き出した様々なコンセプトカーを出展。そのなかでTTCが前回を上回る技術を駆使し、開発に携わったクルマ達をご紹介していきます。近い将来、みなさんが実際に乗ることになるかもしれませんよ。

Fine-X

クルマ進化のビジョンを示す新コンセプトカーにTTCの技術が注がれています

環境や安全問題などクルマのネガティブな要素を最小限にし、操る楽しさや快適な機能など人々がクルマに望むポジティブな要素を高次元で両立したい、そのトヨタのクルマづくりのビジョン"Zeronize & Maximize"に基づき、開発された一台が「Fine-X」です。「Fine-X」とは"Fuel cell INovative Emotion-eXperiment"からついた名前です。
常に進化したクルマを作ろうと、今回もTTCの技術を駆使し非常に困難と思われた構想を実現することができました。 イスト並の外形サイズにカムリクラスの室内空間を実現した革新的パッケージ。パワートレーンには名前の由来でもあるFC(Fuel Cell:燃料電池)を用いたハイブリッドシステムを搭載し、内装には植物が原料のカーボンニュートラルな素材を広範囲に使用し、環境性能の確保をしています。また、カメラや大型ディスプレイを用いて全周視界の監視を行うなど優れた予防安全技術の積極的な採用、4輪大舵角独立ステアリングと4輪独立駆動インホイールモーターによる自在な動きでその場での回転や駐車、Uターンが出来るという全く新しい運動性能を実現しました。
また、開放的でホスピタリティに満たされたゆったりとくつろげる室内空間。乗降時にはガルウィングドアが大きく開き、シートは車外にせり出す「電動お迎えシート」を採用し、インストルメントパネル、ドアトリムにリラクゼーション効果のある「ゆらぎ照明」の演出により"もてなし"を最大限に追及しました。
トヨタの燃料電池ハイブリッド車はTTCの技術を集約し、ここにさらなる進化と深化を遂げました。

全長(mm) / 3,860 全幅(mm) / 1,750 全高(mm) / 1,550 ホイールベース(mm) / 2,850 乗車定員(人)/ 4

TTCスタッフインタビュー

車両開発 先行開発室
技術G 中谷 壮太

‘Fine-S’から'Fine-N'、進化し続けるこのFCシリーズは'Fine-X'として更なる進化を求められた。「4輪大舵角独立ステア」「ガルウィングサイドドア」「格納ステアハンドル」に「スライド/回転シート」全てに電動が求められた。 私が担当したのは「ガルウィングサイドドア」。この名に新鮮な響きはないが「前後が一体」「内装は美しく光る3重構造」とにかく重い。突きつけられた要求の実現には、1t超えの推力と耐久性を兼ね備えたユニット設計が必要だった。 まずは試作機製作。実車を想定したそのドアは、先端を持っても持ち上がらない。チーフが一言・・・「上がらねー、無理!」。トヨタに「いける!」と言い切った私もそう思った。開閉ユニットを取り付けた。ドアがゆっくりと動き始め、全開した。皆、笑顔だった。その後改造を重ね、3ヶ月後には『1万回耐久』も達成した。ショーが開幕した。決して広くはないステージで"Fineコンセプトカーは常に進化を求められる。我々のチャレンジにも終わりは無い。

車両開発 先行開発室
生管・試作G 後藤 宣行

多くの作動に電気が求められた為、一番苦労し慎重に作業を行ったのは電装関係。まず、その場回転や方向転換モードなどがきちんと動くことはもちろんのこと、会期中に不具合が発生しない耐久性も求められました。
この"Fine-X"のように自在な動きができるクルマが市販されれば、駐車・方向転換など面倒な運転も楽々と行えるようになりますね。また、癒し効果を演出する"ゆらぎ照明"は2,000個のLEDを使っており、このような膨大な数のLEDの配線を行うのはとても大変でした。このように、苦労に苦労を重ね、動作も耐久性もゆらぎ照明の問題点もクリアし完成した時の感動は一言では言い表せません。モーターショーも無事閉幕しましたが、今後は次回のモーターショーを見据えて、お客様も、作っている自分自身も、もっともっと感動できるより素晴らしい車を開発していきます。

i-swing

モビリティへの夢や未来を広げるTTCの技術

2001年のモーターショーに出展した「pod」、2003年の「PM」へと、TTCの技術を注ぎIT時代のクルマ発展の可能性を進化させてきました。今回のモーターショーに出展した「i-swing」はパートナーロボットの開発で培われた技術を応用しながら、「移動手段としてのクルマ」という領域を超え、自己を多彩に表現できる"パーソナルモビリティの最進化形"を実現することができました。
"着る"感覚で乗降できる一人乗りパッケージに、布素材で覆った衝撃を和らげる低反発ウレタンのボディや、状況に合わせて、自在に映像表示できるLEDディスプレイなど、個性的なデザインが特徴。人々が行き交う街中を走行する時は、占有スペースの小さい2輪走行スタイルとなり、歩く人と並んで会話しながらの走行も可能です。また、機敏に動きたい時は、走りを楽しめる3輪スタイルに変化することもできます。ユーザー情報を蓄積していくことで、その習慣・嗜好を学習して成長していくAIコミュニケーションコンセプトも搭載し、自分の分身のような存在となってくれるはずです。従来のクルマの範疇を超え、もっと深く楽しく人や社会と関わるきっかけとなる、そんなパーソナルモビリティを目指しています。

全長(mm) / 2輪時 985 3輪時 1,275 全幅(mm) / 800 全高(mm) / 2輪時 1,800 3輪時 1,710 乗車定員(人) / 1

TTCスタッフインタビュー

車両開発 先行開発室
技術G 菅原 英剛

今回のモーターショーへ行かれた方はTOYOTAのステージを見て思われたはずです、 「あの変わった車・・・いや車?ロボット??・・・一体何??」と。そう、それこそ「i-swing」なのです。
前回のモーターショーで披露された「PM」、愛知万博にてデビューしました「i-unit」の後継機となる訳ですが、もっと人のフィールドに溶け込む様、もっと人っぽく有機的に、そして何よりも移動する為の手段以上に、遊びのアイテムでありコミュニケーションツールである様にコンセプトワークされた乗り物です。皆さんはB3スポーツを御存知でしょうか?若者を中心に人気を誇るストリートスポーツ、「スケート・ボード、ローラー・ブレード、BMX」の事です。
i-swingもこれら同様に、乗りこなし使いこなす楽しさや、習得したトリックなどを表現する喜びがあり、また自身のアイテムとしてカスタマイズを行う事により、個性を表現できます。しかもi-swingには搭載されているAIにより、i-swing自身ともコミュニケーションを図ることが出来ます。例えば、「○○が欲しいな、どこで手に入る?」といったことや「○○の予定はどうなっている?」はたまた「あの子かわいいな、友達になるにはどうしたらイイと思う?」などなど、頼れる奴でもあります。しかし開発に関しては試行錯誤の連続でした。なぜなら「自動車」では無いのですから!!初めの頃は「タイヤは何本必要?・・・と言うかタイヤは必要なのだろうか?」と言った話を真剣に議論していました。そんな笑い話も沢山ありますが中身は愛知万博で活躍したパートナーロボットなどの技術もふんだんに盛り込んだ我々の自信作です。「i-swing」の様に楽しく手軽に乗れるモビリティが街中を自由自在に走り回る姿を目にするのも、そう遠い世界ではない様な気がしませんか?